Z-ゆとり君の夢物語

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Z-ゆとり君。銘柄分析〈日本スキー場開発6040〉

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夢追い人のブログだよ!!

 

 

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銘柄分析〈日本スキー場開発 6040〉

はじめに

スキー場運営企業って珍しいですよね。大手ホテル会社や観光業を営んでいる企業がレジャーの一環として行っているところはありますが、スキー場運営を本業で行っている上場企業は日本スキー場開発だけではないでしょうか。

コロナウイルスで疲弊しているレジャー産業、そんな中でウインタースポーツ離れも叫ばれている業界で上場を果たし株式市場で踏ん張っている日本スキー場開発を解析!!

企業概要

業務内容は社名にもある通りスキー場経営とスキー場に関する総合コンサルを行っている。本店を長野県の北安曇郡白馬村に2017年10月に移転している。スキー場とともに歩む姿勢が伺える決断。

経営者は鈴木 周平代表取締役をはじめ11名で構成されている。内訳は代表取締役と取締役が計4名、社外取締役計3名、監査役計4名だ。

グループ会社は親会社に日本駐車場開発株式会社、傘下に株式会社鹿島槍をはじめとする10社で構成されている。なお、傘下の会社のほとんどが日本スキー場開発が管轄しているスキー場の運営会社。長野や岐阜、群馬などに点在しており地域密着で運営していることがわかる。運営しているスキー場及びレジャー施設の場所は下記の図の通りである。

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企業理念

日本スキー場開発の経営理念をはじめ経営に関する企業の指針やコンセプト、価値観などを見ていく。

経営理念

自然、お客様、地域社会のHAPPYを創出する

・自然:最適に活用したうえで非日常的な空間やサービスの提供を行う
・お客様:スキーヤー/スノーボーダーに関わらず様々なニーズの満足を提供
・地域社会:地域と連携しエリア全体の魅力を高め潤いをもたらす
これら3つのバランスを取りHAPPY TRIANGLEを広げることがミッション

 

【Z-ゆとり君のコメント】

自然を活用した非日常の空間・サービス(体験)は現代人の我々にとっては魅力的だと思う。モノ消費からコト・トキ消費を重視するようなって消費行動に適している。
一方で消費者をどう行動させるかが課題。お客様に関して「スキーヤー/スノーボーダーに関わらず」と顧客対象を広げて設定している。どうやってスキー場に足を運ばせるかはかなり重要な課題だろう。海外顧客はウインタースポーツに対する関心度が高いが国内需要が低下し続けている。国内需要の開拓をしないと今後、今回のコロナウイルスのような事態に直面した際対処しきれなくなる。事実、今回の影響は経営状況にも株価にも表れている。国内需要の喚起が課題だろう。
最後、地域社会との連携は積極的な姿勢を伺える。特に本社を長野移転した点は2017年ではあるが高評価できる。また、地域のリソースを上手に活用している。例えば、白馬岳マウンテンリゾートでのイベントをはじめとした取組は地域と自然のリソースを活かした取組で評価できる。そして、間違いなく我々に非日常を提供している。

iwatake-mountain-resort.com

 

 ミッション・行動指針・責任
『ミッション』

私たちは、スキー場の運営に関するあらゆる問題を解決し、非日常的な時間と空間を演出することにより、一人でも多くの方に自然の素晴らしさ、ウィンタースポーツの楽しさを味わって頂くことを最大の使命とします。

〈日本スキー場開発ホームページより〉

『行動指針』

・自然を尊び、法令を遵守します。
・人命を尊重し、安全と健康を重視します。
・温かさ、親しみやすさ、正義感とプライドを持って最高のサービスを提供します。
・好奇心と遊び心をもって、挑戦・変革・創造することを楽しみます。
・チームワーク、コミュニティを大切にします。
・社会秩序や安全の脅威となる反社会的勢力等の介入がある場合には、毅然としてこれを排除します。
・全ての業務のクオリティを改善するため妥協はしません。

〈日本スキー場開発ホームページより〉

 『責任』

 ・自然に対する責任
スキーは大自然と地球の重力が与えてくれた最大の贈り物です。私たちは自然を大切にし、その保護に努めます。
・社会に対する責任
企業は社会の公器です。私たちは適正な利益を上げ成長するとともに、地域の文化、風習を守り、地域社会の発展に寄与します。
・お客様に対する責任
お客様の喜びこそ私たちの喜びです。私たちはお客様のために献身します。
・スタッフに対する責任
スタッフは当社最大の財産です。スタッフが働きやすい環境作りに尽力します。
・次世代に対する責任
子どもたちは宝です。自然の素晴らしさ、ウィンタースポーツの醍醐味、仲間の大切さ、働くことの楽しさ、これらを次の世代に伝えます。

〈日本スキー場開発ホームページより〉

【Z-ゆとり君のコメント】

◇第一印象は自然への感謝を感じされる内容だと個人的には感じた。理由は2つで、1つ目は行動指針と責任の冒頭で提示ていること。2つ目に両者とも自然を敬う内容であること。以上の2点だからだ。一般的な文章であれば1番大切なことを1番に持ってくるし、両者とも内容が共通しているということは1番大切にしているのだろうと理解できる。
◇次に、注目したのは「好奇心と遊び心をもって、挑戦・変革・創造することを楽しみます。」だ。最後の楽しみますがまず印象に残る。だいたい、「~すること。」で終わるが行動指針だ。しかし、日本スキー場開発は楽しみますがついている。想像ではあるが、事業について経営者も社員も楽しんでいる、つまり主体的に関わっていこうとしているのではないかと思う。個人的な感覚だが、能動的では仕事を楽しいとはなかなか感じないと思うからだ。
◇最後は「次世代に対する責任」。子供たちへ自然の素晴らしさやウィンタースポーツの醍醐味を伝えるのはわかるが、働くことの楽しさまで伝えようとする企業姿勢は感銘を受けた。
その他の行動指針や責任も大変重要な内容ではあるが、以上の3つは特に注目すべきポイントだと感じた。既にESGや環境問題解決の企業の動きに投資家は敏感だ。その点では日本スキー場開発は自然とともに共存共栄で成り立っている事業ではあるので今後、注目される可能性はあると思う。また、テレワークの普及による地方移住や地方創生等の点でも可能性を秘めていると思う。例えば、スキー場で仕事ができたり、標高1,000Mの山々でイベントや仕事を行うといった非日常を提供すれば面白い需要を呼び起こすかもしれない。

代表取締役について

◇鈴木周平代表取締役社長は、平成12年7月に有限責任監査法人トマーツ入所し、平成18年7月に日本駐車場開発株式会社に入社する。平成19年10月に同社取締役就任。平成22年10月に日本スキー場開発株式会社取締役に就任する。平成23年3月には川場リゾート株式会社代表取締役社長に就任し、平成24年8月に日本スキー場開発株式会社だ表取締役社長に就任し傘下のグループ会社5社の取締役も兼任している。
◇傘下の白馬観光株式会社代表取締役社長の和田 寛 氏も紹介する。東京大学卒後に農林水産省に入省。その後、アメリカの大学でMBAを取得しベイン・アンド・カンパニーへ入社。2014年に日本スキー場開発へ入社し現在は白馬観光株式会社代表取締役社長を務めている。

www.glocaltimes.jp

定量分析

各種指標

時価総額:117.1億円

時価総額は約100億円台なので小型株である

PER:68.44倍
PBR:1.64倍

PERに関しては所属するマザーズのサービス業平均PERが132.72倍なので同一市場内では割安。全市場におけるサービス業の平均PERは62.36倍なので同一より少し割高である。
PBRに関してはサービス業の平均が2.1倍なので業界内では割安。ただし1倍を上回っているので理論上だと割高になる。

予想ROE:2.8%
予想ROA:1.9%

ROEROAともにかなり低いことが伺える。コロナウイルスによりインバウンド需要が皆無となり国内での観光の抑制も影響しほとんど利益が出ていないことが伺える。

自己資本比率:65.6%
流動比率:279.51%
当座比率:271.21%

財務体質は健全である。自己資本比率も60%以上あり、流動比率当座比率ともに200%以上あることから短期借入金返済に対して十分な返済余力があることがわかる。

予想配当利回り:1.16%(1株7円)

2021年7月に配当を実施予定。コロナウイルスによる経営難にも関わらず配当を実施する点は株主への配慮が伺える。一部では自社の投資に回すべきだという声もあるようだが、経営層なりの株主に対する責任を果たそうとする姿勢だろう。

決算推移

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2016年に暖冬・小雪影響で大きく売上高及び営業・経常・当期の利益も落ち込む。しかし、設備拡充で小雪対策を行いウィンターシーズにおけるウィンタースポーツ以外の需要喚起やグリーンシーズのサービス拡充などを継続して実施し右肩上がりで改善してきた。
しかし、コロナウイルスのまん延によるインバウンド需要の喪失と国内観光抑制による需要の低下から売上高をはじめとした業績の大幅低下に陥った。
個人的には一過性の現象であると考えている。理由は以下の通りだ。

1.インバウンド需要の回復

特にアジア圏のウィンター需要が拡大し恩恵を受ける可能性が高いと分析する。国際批判を浴びているが北京オリンピックの効果による中国人観光客の増加。既に中国でのウィンタースポーツ需要は高まっている。また、東南アジアや南アジア経済圏からの需要も期待できる。雪という気候と自然が珍しいことや日本というブランド。また、中国や韓国の山岳地帯に比べ、都市部との交通手段が充実しておりサクセスも良く、他国の気候に比べ落着いている点は日本の雪山の特徴だ。

2.スキーコースと雪の品質

日本スキー場開発が所有しているスキー場は国内のスキー場内ではコース幅が広い。ゆえに、初心者も安心して滑れる一方で上級者もコースが豊富にあるため楽しめる。そして、ないよりパウダースノーの品質だ。欧米のスキー場はアイスバーンと言って雪質が氷のように固いところが多い。一方で日本の雪質は柔らかく特に白馬一帯の雪質は上質なパウダースノーを楽しめる。

3.国内アウトドア需要の喚起

そして国内アウトドア産業の再興だ。ヒマラヤ、スノーピークをはじめとしたアウトドア用品店の売上が好調だ。シマノグローブライド等の釣り用品を扱っている会社も利益が出ている。コロナ禍で3密を避けた屋外レジャーが普及している。
プラス効果として女性への普及もある。山ガールや釣りガール等の女性需要もニュースで取り上げられている。手軽に楽しくお洒落に楽しめる点が需要を呼び込んでいるのだろう。
そこで、利益の可能性として挙げられるのがグリーンシーズの需要だ。山ガールの登山需要や山でのイベント需要、キャンプ需要だ。課題はウィンター需要だろう。どのようにウィンタースポーツやそれらに関連あるいは派生する需要を生み出せるかが鍵だろう。個人的にはスキーウエアーの改善(ワークマンみたいに)やスキーやスノボーの板の改良などだろう。後は、雪山を楽しめるイベントもいいと思う。
ここからは個人的な追記だが、ビジネスで非日常空間で仕事ができる環境も面白いと思う。1,000M級の山で朝日を見ながらの仕事など面白と思う。

定性分析

株主構成

日本駐車場開発株式会社:(65.61%)
自社株:(5.23%)
Plan・Do・See:(2.5%)←インバウンド関連の観光会社
東海東京証券:(2.5%)
グリーンコア:(1.69%)←ホテル会社
鈴木周平:(1.43%)
宇津井高時:(1.07%)
HOTEL LOTTE:(0.83%)←ホテル会社
SBI証券:(0.82%)
楽天証券:(0.65%)
MSIPクライアントセキュリティーズ:(0.58%)←投資会社?

親会社が65%以上の株を保有しているので敵対的買収は起こりにくい。むしろ友好的買収の影響で株価が今後上昇する可能性もある。
観光関連の会社や証券会社保有している。気になるのは最後の会社だが調べたがいまいち情報がない。投資会社かな?
いずれにしても株は健全に管理されている印象はある。流動性の問題はあるが。

転職分析

社員口コミの投稿数が10件を下回っていたため測定不能

ESG・CSR

www.nippon-ski.jp

鹿島槍スキー場において美化活動を実施
経済産業省の「地域未来牽引企業」に白馬観光開発が認定
・アスリート支援

その他

・一山一社体制:コロナを機に本社の無理・無駄を排除。一方で、運営会社の強化を図る。
・めいほうキャンプ・アウトドア事業:上期に来場者数が5.6千人増(前年比+38.7%)
岩岳のリゾートテレワークとコンテンツの多様化により6.6千人増(前年比+7.9%)
・リフト券オンラインチケットの促進
・ノンスキー層の獲得

IR情報 : 株主様ご優待

まとめ

5歳の時から高校生の時までは冬になると週1回以上スキーをしていた。なので身近な企業には感じる。
ESGやCSRが重視されている中で自然を大切にしている点は注目できるだろう。また、withコロナの影響もあり地方やアウトドアに注目されている点も日本スキー場開発に今後、影響を及ぼすと思う。
直近の業績は悪化したがインバウンド需要が回復しないとは思えない。これからが楽しみだ。
ちなみに、わたしは1,000株保有している。

※あくまでも個人の感想であり投資を推奨するものではございません。自己責任で参考にしてください。一切の責任を当ブログは取りません※